気づかないうちに膨らむサブスク代
「サブスクリプション(サブスク)」は、私たちの生活に深く浸透しています。動画配信、音楽配信、電子書籍、オンラインストレージ、ジム、食材宅配、アプリの課金など、数え上げればきりがありません。一つひとつは数百円から数千円の少額でも、積み重なると月に1万円から3万円、年間で12万円から36万円もの支出になっています。
2025年現在、日本人の平均サブスク契約数は5〜6個、月額平均支出は約1万2,000円というデータがあります。しかし、実際に使っているサービスを数えてみると、「ほとんど使っていないのに払い続けている」ものが必ずあるはずです。
無料期間終了後にそのまま課金されて忘れている、一時的に必要で契約したが今は不要になっている、家族の誰かが契約したが使っていない——こうした「無駄なサブスク」を見直すだけで、月5,000円から1万円、年間6万円から12万円の削減が可能です。
本記事では、サブスクを徹底的に見直し、本当に必要なサービスだけを残して無駄な支出を削減する方法を解説します。具体的な見極め方、解約のタイミング、お得な代替案まで、サブスク節約のすべてをお伝えします。
サブスクの現状を把握する
全てのサブスクをリストアップ
まず、自分が現在契約しているサブスクを全てリストアップしましょう。意外と把握していないものが多いことに驚くはずです。
リストアップの方法
- クレジットカードの明細を3ヶ月分チェック
- 銀行口座の引き落とし履歴を確認
- App StoreまたはGoogle Playの定期購読を確認
- PayPalやキャリア決済の履歴を確認
- 家族に確認(家族名義の契約もある)
リストアップする際は、以下の情報を記録します。
- サービス名
- 月額料金(年額の場合は月換算)
- 支払い方法
- 契約開始日
- 更新日
- 最後に使った日
この作業だけで、「こんなサービス契約していたっけ?」という発見があるはずです。
カテゴリごとに分類
リストアップしたサブスクを、カテゴリごとに分類します。
主なカテゴリ
- 動画配信(Netflix、Amazon Prime Video、Disney+など)
- 音楽配信(Spotify、Apple Music、YouTube Premiumなど)
- 電子書籍・雑誌(Kindle Unlimited、dマガジンなど)
- クラウドストレージ(Google One、iCloud+、Dropboxなど)
- フィットネス(ジム会費、オンラインフィットネスなど)
- 食材宅配(Oisix、らでぃっしゅぼーやなど)
- ソフトウェア・アプリ(Adobe、Microsoft 365、各種アプリなど)
- その他(ウォーターサーバー、コーヒーマシンなど)
カテゴリごとに見ることで、重複しているサービスや、同じカテゴリで複数契約している無駄が見えてきます。
月額・年額の合計を計算
全てのサブスクの月額を合計してみましょう。年額契約のものは12で割って月換算します。
計算例
- Netflix:1,490円
- Spotify:980円
- Amazon Prime:月換算約417円(年額5,000円)
- iCloud 50GB:130円
- Adobe Creative Cloud:3,280円
- ジム会費:8,000円
- Kindle Unlimited:980円
- 合計:15,277円
この金額を見て、「こんなに払っていたのか」と驚く人が多いです。年間では約18万3,000円になります。
本当に必要なサブスクを見極める3つの基準
基準1:直近3ヶ月の利用頻度
最もシンプルで効果的な基準は、「直近3ヶ月で実際に使ったか」です。
判断フロー
- 週1回以上使っている:必要
- 月1〜2回使っている:検討
- 3ヶ月で1回も使っていない:不要(即解約)
「いつか使うかもしれない」は、ほとんどの場合「使わない」です。3ヶ月使っていないサブスクは、思い切って解約しましょう。必要になったら再契約すればよいのです。
動画配信サービスの例 Netflixに月1,490円払っているが、直近3ヶ月で見たのは1作品だけ。その作品は1日で見終わった。
→ 判断:毎月契約するのではなく、見たい作品がある月だけ契約する「スポット利用」に変更。年間で約1万6,000円の削減。
基準2:他のサービスで代替できないか
同じようなサービスが複数ある場合、一つにまとめられないか検討します。
よくある重複例
動画配信サービスの重複 Netflix、Amazon Prime Video、Disney+、Huluなど、複数契約している場合。
→ 判断:最もよく使うサービス1〜2つに絞る。年間で2万円から3万円の削減。
音楽配信サービスの重複 SpotifyとApple Musicの両方を契約している。
→ 判断:機能はほぼ同じなので、どちらか一方に絞る。年間約1万2,000円の削減。
クラウドストレージの重複 Google One、iCloud+、Dropboxの全てに課金している。
→ 判断:無料プランを活用しながら、必要なら一つの有料プランに集約。年間で数千円の削減。
基準3:無料または低コストの代替手段はないか
有料サービスを使っているが、無料または低コストの代替手段がある場合、切り替えを検討します。
代替手段の例
雑誌読み放題サービス → 図書館アプリ dマガジン(月440円)で雑誌を読んでいるが、実は図書館アプリでも多くの雑誌が無料で読める。
→ 判断:図書館アプリに切り替えれば、年間5,280円の削減。
有料クラウドストレージ → 無料プラン組み合わせ Google One 100GB(月250円)を契約しているが、Google Drive 15GB + Dropbox 2GB + OneDrive 5GBの無料プランを組み合わせれば、合計22GBを無料で使える。
→ 判断:データを整理して無料プランに収まるようにすれば、年間3,000円の削減。
ジム会費 → 公営ジムや自宅トレーニング 民間ジム(月8,000円)に通っているが、利用は週1回程度。公営ジムなら1回500円で利用できる。
→ 判断:週1回なら公営ジム(月2,000円)で十分。自宅トレーニングやYouTubeの無料フィットネス動画も活用すれば、年間7万円以上の削減。
カテゴリ別サブスク見直しポイント
動画配信サービス
見直しポイント 動画配信サービスは最も解約しやすく、再契約もしやすいサブスクです。常時契約するのではなく、見たい作品がある時だけ契約する「スポット利用」が賢い使い方です。
スポット利用の例
- 見たいドラマや映画をリストアップ
- それらが配信されているサービスを契約(1ヶ月)
- 一気に視聴
- 見終わったら解約
- 次に見たい作品ができるまで待つ
この方法なら、年間の支出を半分以下に抑えられます。
おすすめの組み合わせ 全てのサービスを契約するのではなく、以下のような組み合わせが効率的です。
- Amazon Prime Video:配送特典も含めてコスパ最高(月417円相当)
- +1サービス:Netflix、Disney+、Huluから、自分の好みに合わせて選ぶ
家族でアカウント共有 多くの動画配信サービスは、家族でアカウントを共有できます。実家の親や兄弟姉妹と共有すれば、一人あたりの負担は半分以下になります。
音楽配信サービス
見直しポイント 音楽配信サービスは、毎日使っている人にとっては必要ですが、たまにしか聞かない人には高額です。
利用頻度別の判断
- 毎日1時間以上聞く:有料サブスク必要(月980円の価値あり)
- 週数回、1回1時間程度:無料プランで十分
- ほとんど聞かない:解約して、たまに聞くときだけ曲を購入
無料プランの活用 Spotify、YouTube Music、Amazon Music Freeなどは、広告付きで無料利用できます。広告が気にならなければ、無料プランで十分です。
学割・ファミリープランの活用 学生なら半額(月480円)、家族で使うならファミリープラン(月1,480円で6人)が圧倒的にお得です。
電子書籍・雑誌読み放題
見直しポイント 読み放題サービスは「読み放題」という言葉に魅力を感じて契約しがちですが、実際には月に数冊しか読まないケースが多いです。
計算方法 月に読む冊数 × 1冊あたりの平均価格 < サブスク料金 → 単品購入の方が得
例 Kindle Unlimited(月980円)で月に2冊読んでいる。2冊の合計価格は平均1,500円。
→ 判断:Kindle Unlimitedは得。ただし、月に1冊しか読まない月もあるなら、解約して必要な本だけ購入する方が得。
図書館アプリの活用 多くの自治体が電子書籍の図書館サービスを提供しています。無料で数万冊の本が読めるので、まず図書館アプリをチェックしましょう。
クラウドストレージ
見直しポイント 写真や動画の自動バックアップで容量不足になり、つい有料プランを契約しがちですが、データを整理すれば無料プランで足りることも多いです。
容量削減のテクニック
- 不要な写真・動画を削除(重複、ブレ、失敗写真など)
- 動画の画質を下げる(4KではなくフルHDでバックアップ)
- 長期保存不要なデータは外付けHDDに移動
- 複数の無料プランを使い分ける
無料プランの組み合わせ
- Google Drive:15GB
- Dropbox:2GB
- OneDrive:5GB
- iCloud:5GB
- Amazon Photos:無制限(プライム会員のみ、写真のみ)
合計で20GB以上を無料で使えます。
フィットネス・ジム
見直しポイント ジム会費は月5,000円から1万円と高額ですが、実際の利用頻度は週1回以下という人が非常に多いです。
利用頻度別の判断
- 週3回以上:民間ジム継続(コスパ良い)
- 週1〜2回:公営ジムに切り替え(1回300〜500円)
- 月1〜2回:都度払いのジムまたは自宅トレーニング
- ほとんど行っていない:即解約
代替手段
- YouTubeの無料フィットネス動画
- 公園でのランニング
- 自宅での筋トレ(ダンベルやヨガマット購入で初期投資1万円程度)
- 単発のジムビジター利用(1回1,000〜2,000円)
オンラインフィットネス LEAN BODY、SOELU、24/7 Workout.jpなど、月1,000円から3,000円のオンラインフィットネスは、民間ジムの半額以下で、自宅で好きな時間にトレーニングできます。
食材宅配・ミールキット
見直しポイント 食材宅配やミールキットは便利ですが、スーパーで買うより2〜3割高いです。
コスパ計算 月の食材宅配費用 – スーパーで同じ食材を買った場合の費用 = 「便利さ」の対価
この「便利さの対価」が月5,000円以上なら、本当にその価値があるか考えましょう。
代替手段
- 週末にまとめ買い+作り置き
- ネットスーパー(配送料が安い)
- 生協(食材宅配より安い)
時短を重視するなら、全てを宅配にするのではなく、忙しい週だけ宅配を利用するハイブリッド方式が経済的です。
ソフトウェア・アプリ課金
見直しポイント Adobe Creative Cloud、Microsoft 365、各種アプリの課金は、仕事で必須なら仕方ありませんが、趣味で使っている場合は代替手段を検討しましょう。
無料または低コストの代替ソフト
- Adobe Photoshop → GIMP(無料)、Affinity Photo(買い切り)
- Adobe Illustrator → Inkscape(無料)、Affinity Designer(買い切り)
- Microsoft Office → Google Workspace(無料)、LibreOffice(無料)
買い切り型ソフトに切り替えれば、長期的には大幅な節約になります。
アプリ課金の見直し スマホゲームの月額課金やアイテム課金は、気づかないうちに月数千円から数万円になっていることがあります。App StoreやGoogle Playの定期購読を必ず確認しましょう。
解約のタイミングと注意点
ベストな解約タイミング
月末解約が基本 多くのサブスクは、解約手続きをしても月末または次回更新日まで使えます。月初に解約しても、月末まで使えて料金は日割りにならないことがほとんどです。
したがって、解約を決めたら、次回更新日の前日に解約するのが最もお得です。
更新日をカレンダーに登録 無料期間終了日、年間契約の更新日などは、スマホのカレンダーに登録しておき、1週間前にリマインダーを設定しましょう。これで「気づいたら課金されていた」を防げます。
解約を忘れないための工夫
サブスク管理アプリを使う 「Subtrack」「Bobby」などのサブスク管理アプリを使えば、全てのサブスクを一元管理でき、更新日前に通知が来ます。
バーチャルカードを使う Revolut、Kyashなどのバーチャルカードで支払えば、カードを削除するだけで自動的に支払いが停止されます。解約手続きを忘れても、課金されません。
解約時の注意点
データのバックアップ クラウドストレージやノートアプリなど、データが保存されているサービスを解約する場合は、必ず事前にデータをバックアップしましょう。
年間契約の途中解約 年間契約の場合、途中解約しても返金されないことがほとんどです。年間契約は慎重に判断し、まずは月額契約で試すことをおすすめします。
アカウント削除とサービス解約の違い 「アカウント削除」と「サブスクリプション解約」は別の手続きです。アカウントを削除しても、サブスクは継続されていることがあるので、必ず「定期購読」や「サブスクリプション」の項目から解約しましょう。
サブスクを賢く使うためのルール
ルール1:年間契約はしない(例外あり)
年間契約は月額換算で安くなりますが、途中で不要になっても返金されないリスクがあります。基本は月額契約にして、本当に長期間使うと確信できたサービスだけ年間契約にしましょう。
年間契約してもよいケース
- 過去1年間、毎月使い続けている
- 今後も確実に使い続ける(仕事で必須など)
- 年間契約の割引率が20%以上
ルール2:無料期間をフル活用
多くのサブスクは、初月無料や2週間無料などの無料期間があります。この期間中に徹底的に使い倒して、本当に必要か判断しましょう。
無料期間終了日をカレンダーに登録し、前日に判断すれば、課金される前に解約できます。
ルール3:「とりあえず契約」は禁止
「とりあえず契約して、使わなかったら解約すればいい」という考えは危険です。多くの場合、解約を忘れて課金され続けます。
契約する前に、「本当に必要か」「無料の代替手段はないか」を必ず自問しましょう。
ルール4:定期的な見直しを習慣化
年に2回(1月と7月など)、全てのサブスクを見直す日を設定しましょう。たった30分の見直しで、年間数万円の節約になります。
見直し時には、以下をチェックします。
- 直近3ヶ月の利用頻度
- 料金プランの変更(値上げされていないか)
- 新しい代替サービスの登場
- ライフスタイルの変化(在宅勤務になった、引っ越したなど)
ルール5:家族でサブスクを共有
多くのサブスクは、複数デバイスでの利用や家族アカウントに対応しています。家族でサブスクを共有すれば、一人あたりのコストは大幅に下がります。
家族共有の例
- Netflix:スタンダードプラン(月1,490円)を家族2人で共有 → 一人745円
- Amazon Prime:年間5,000円を家族3人で共有 → 一人月約139円
- Apple One:ファミリープラン(月1,850円)を家族6人で共有 → 一人約308円
サブスク削減の成功事例
事例1:Aさん(30代独身男性)
削減前:月14,500円
- Netflix:1,490円
- Spotify:980円
- Amazon Prime:417円
- Adobe Creative Cloud:3,280円
- ジム会費:8,000円
- その他アプリ:333円
見直し後:月4,397円(年間約12万円削減)
- Amazon Prime:417円(配送特典もあるので継続)
- Spotify:980円(毎日使うので継続)
- 動画:見たい作品がある月だけNetflix契約(年3ヶ月 = 月平均373円)
- Adobe:無料ソフトに切り替え(0円)
- ジム:公営ジムに切り替え(週1回 × 500円 × 4週 = 月2,000円)
- アプリ:不要な課金を全て解約(0円)
事例2:Bさん(40代主婦、家族4人)
削減前:月22,000円
- Netflix:1,980円
- Disney+:990円
- Amazon Prime:417円
- YouTube Premium:1,180円
- 食材宅配:12,000円
- ウォーターサーバー:4,000円
- 雑誌読み放題:440円
- 子どものアプリ課金:1,000円
見直し後:月8,397円(年間約16万円削減)
- Amazon Prime:417円(家族で共有)
- 動画:Netflix 1,490円とDisney+ 990円を交互に契約(月平均1,240円)
- 食材宅配:月2回に減らし、週末まとめ買い併用(月6,000円)
- その他:全て解約し、図書館アプリ、無料の水筒持参、子どもの課金制限(0円)
合計削減額:月13,603円、年間約16万3,000円
まとめ:サブスク見直しで年間10万円以上の節約を実現
サブスクの見直しは、誰でも今日から実行できる最も簡単な節約術の一つです。多くの人が、月5,000円から1万円の無駄なサブスクを契約し続けています。
重要なのは、全てのサブスクをリストアップし、一つひとつ「本当に必要か」を判断することです。3ヶ月使っていないサブスクは、即解約しましょう。必要になったら再契約すればよいのです。
動画配信サービスは「スポット利用」、音楽配信は「無料プラン」、ジムは「公営ジム」、クラウドストレージは「無料プラン組み合わせ」など、賢い代替手段を活用すれば、生活の質を落とさずに大幅な削減ができます。
サブスクの見直しで削減できた月1万円を、貯金や投資に回せば、10年で120万円、30年で360万円もの資産になります。年に2回の見直しを習慣化して、無駄のないスマートなサブスク生活を実現しましょう。
今日、この記事を読み終えたら、すぐにクレジットカードの明細を開いて、全てのサブスクをリストアップしてください。30分の作業で、年間10万円以上の節約が実現できます。未来のあなたは、今日の決断に感謝するはずです!


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