小さな手数料が積み重なると年間数万円の損失
「たった220円」「たった330円」——銀行のATM手数料や振込手数料は、1回あたりの金額は小さく感じます。しかし、これを年間で計算すると、驚くほど高額になっていることに気づくでしょう。
月に4回コンビニATMで引き出し(1回220円)、月に2回他行宛に振込(1回330円)をしている場合、年間の手数料は以下のようになります。
- ATM手数料:220円 × 4回 × 12ヶ月 = 10,560円
- 振込手数料:330円 × 2回 × 12ヶ月 = 7,920円
- 合計:18,480円
年間で約2万円も、銀行に手数料を払っていることになります。10年で20万円、30年で60万円です。この金額を銀行に献上するのではなく、自分の資産として残す方法があります。
2025年現在、ネット銀行を中心に、ATM手数料や振込手数料が完全無料または条件付き無料のサービスが多数あります。これらを賢く使い分けることで、銀行手数料を完全に0円にすることが可能です。
本記事では、銀行手数料を0円にする具体的な方法、おすすめのネット銀行、キャッシュレス決済の活用法まで、あらゆる角度から手数料削減のテクニックを解説します。
銀行手数料の種類と相場
ATM手数料
ATM手数料は、現金を引き出す際にかかる手数料です。自行ATMなら無料ですが、提携ATMやコンビニATMは有料のことが多いです。
ATM手数料の相場(2025年)
- 自行ATM(営業時間内):無料
- 自行ATM(時間外):110円から220円
- 提携ATM:110円から220円
- コンビニATM:220円から330円
特にコンビニATMは便利ですが、手数料が最も高く設定されています。月に数回使うだけで、簡単に千円単位の手数料がかかります。
振込手数料
他の口座にお金を振り込む際にかかる手数料です。同じ銀行の口座宛と、他の銀行の口座宛で金額が異なります。
振込手数料の相場(3万円未満)
- 同じ銀行の口座宛:無料から110円
- 他行宛(窓口):660円から880円
- 他行宛(ATM):220円から440円
- 他行宛(ネットバンキング):110円から330円
窓口での振込は最も手数料が高く、ネットバンキングが最も安くなります。
その他の手数料
通帳・カード再発行手数料 紛失や破損で再発行する場合:1,100円程度
残高照会手数料 一部の銀行では、提携ATMでの残高照会にも手数料がかかることがあります:110円程度
口座維持手数料 2025年現在、一部のメガバンクで口座維持手数料の導入が検討されていますが、まだ実施されていません。ただし、将来的には月数百円の維持手数料がかかる可能性があります。
ATM手数料を0円にする5つの方法
方法1:ネット銀行のATM無料回数を活用
ネット銀行の多くは、月に数回から十数回、ATM手数料が無料になる特典があります。
主要ネット銀行のATM無料回数(2025年)
住信SBIネット銀行
- スマートプログラムのランクに応じて月2回から20回無料
- ランク2(預金残高30万円以上):月5回無料
- セブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行などで利用可
楽天銀行
- ハッピープログラムのステージに応じて月0回から7回無料
- VIP(残高300万円以上):月7回無料
- セブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行などで利用可
ソニー銀行
- 月4回無料(ステージに応じて最大無制限)
- セブン銀行、イオン銀行、ローソン銀行などで利用可
auじぶん銀行
- じぶんプラスのステージに応じて月2回から15回無料
- セブン銀行、ローソン銀行、イーネットなどで利用可
これらのネット銀行を使えば、月の引き出し回数が無料回数内に収まる限り、ATM手数料は完全に0円になります。
方法2:自行ATMを使う
最もシンプルな方法は、自分の銀行のATMだけを使うことです。多くの銀行で、自行ATMなら平日昼間は無料です。
自行ATM無料の条件
- 平日8:45〜18:00:無料(多くの銀行)
- 土日祝日・時間外:110円から220円
ただし、自行ATMは設置場所が限られているため、不便なこともあります。
方法3:ゆうちょ銀行を活用
ゆうちょ銀行は全国に約24,000台のATMがあり、非常に便利です。
ゆうちょATMの手数料
- 平日8:45〜18:00:無料
- 土日祝日・時間外:110円
ゆうちょ銀行の口座を持ち、平日昼間に引き出せば、手数料は完全に無料です。
方法4:キャッシュレス決済を主体にして現金引き出しを減らす
根本的な解決策は、現金を使わないことです。クレジットカード、電子マネー、QRコード決済を主体にすれば、ATMで現金を引き出す機会が激減します。
キャッシュレス決済のメリット
- ATM手数料がかからない
- ポイントが貯まる
- 家計簿アプリと連携して支出管理が楽
2025年現在、コンビニ、スーパー、飲食店の大部分でキャッシュレス決済が可能です。現金が必要な場面は、個人商店や一部の飲食店、自動販売機くらいです。
月に1回、必要最小限の現金を引き出すだけにすれば、ATM手数料は年間で数千円削減できます。
方法5:給与振込口座をネット銀行にする
給与振込口座をネット銀行にすれば、ATM無料回数が増えたり、ランクが上がったりする特典があります。
給与振込でランクアップする銀行
- 住信SBIネット銀行:給与振込でランクアップ
- 楽天銀行:給与振込で楽天ポイント獲得
- auじぶん銀行:給与振込でじぶんプラスのステージアップ
会社によっては給与振込口座を自由に選べない場合もありますが、可能なら検討しましょう。
振込手数料を0円にする5つの方法
方法1:振込手数料無料のネット銀行を使う
ネット銀行の多くは、他行宛振込手数料が月に数回無料になります。
主要ネット銀行の振込手数料無料回数(2025年)
住信SBIネット銀行
- スマートプログラムのランクに応じて月1回から20回無料
- ランク2(預金残高30万円以上):月5回無料
楽天銀行
- ハッピープログラムのステージに応じて月0回から3回無料
- VIP(残高300万円以上):月3回無料
auじぶん銀行
- じぶんプラスのステージに応じて月3回から15回無料
ソニー銀行
- 月2回無料(ステージに応じて最大11回)
PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
- 3万円以上の振込:月1回無料
- それ以外:有料
これらのネット銀行を使えば、月の振込回数が無料回数内に収まる限り、振込手数料は0円です。
方法2:同じ銀行の口座に振り込む
同じ銀行同士の振込は、多くの場合無料です。よく振込する相手(家族、仕事関係など)がいる場合、同じ銀行の口座を持つことで手数料を節約できます。
例 夫婦で生活費を分担している場合、同じ銀行の口座を持てば、振込手数料なしで送金できます。
方法3:PayPayやLINE Payで送金
PayPay、LINE Pay、楽天ペイなどのスマホ決済アプリは、個人間送金が無料です。
スマホ決済での送金メリット
- 送金手数料:無料
- 即座に送金できる
- 相手の口座番号不要(携帯番号やQRコードで送金)
友人や家族との割り勘、お小遣いの送金などは、スマホ決済を使えば手数料0円です。
方法4:定額自動入金サービスを活用
一部のネット銀行は、他行から定期的に一定額を自動入金するサービスを無料で提供しています。
定額自動入金サービスとは 毎月指定した日に、他行口座から自動的に一定額を入金してくれるサービス。手数料は無料。
活用例 給与振込が会社指定の銀行で、ネット銀行をメイン口座にしたい場合、定額自動入金サービスを使えば、手数料なしで資金移動ができます。
提供している銀行
- 住信SBIネット銀行
- ソニー銀行
- イオン銀行
方法5:口座振替を活用
家賃、習い事の月謝など、定期的な支払いは口座振替にすれば、振込手数料がかかりません。
相手が口座振替に対応していれば、一度設定するだけで、以降は自動的に引き落とされ、手間も手数料もゼロです。
おすすめのネット銀行5選
1. 住信SBIネット銀行:総合力No.1
ATM手数料無料回数 月2回から20回(スマートプログラムのランクに応じる)
振込手数料無料回数 月1回から20回(スマートプログラムのランクに応じる)
ランクアップ条件
- 預金残高30万円以上:ランク2(ATM月5回、振込月5回無料)
- 預金残高300万円以上またはローン利用:ランク3(ATM月7回、振込月7回無料)
おすすめポイント
- ランク2は達成しやすい(預金30万円)
- ATM・振込ともに無料回数が多い
- 定額自動入金サービスあり
- 目的別口座で貯蓄管理しやすい
こんな人におすすめ
- 手数料を完全無料にしたい人
- 貯蓄が30万円以上ある人
- メインバンクとして使いたい人
2. 楽天銀行:楽天経済圏ユーザーに最適
ATM手数料無料回数 月0回から7回(ハッピープログラムのステージに応じる)
振込手数料無料回数 月0回から3回(ハッピープログラムのステージに応じる)
ステージアップ条件
- 預金残高10万円以上:アドバンスト(ATM月1回、振込月1回無料)
- 預金残高50万円以上:VIP(ATM月5回、振込月2回無料)
おすすめポイント
- 楽天ポイントが貯まる
- 楽天市場でのSPU対象(+1倍)
- 楽天カードの引き落とし口座にするとさらにポイントアップ
こんな人におすすめ
- 楽天経済圏を活用している人
- 楽天ポイントを貯めたい人
- 楽天カードを持っている人
3. ソニー銀行:シンプルで使いやすい
ATM手数料無料回数 月4回(ステージに応じて最大無制限)
振込手数料無料回数 月2回(ステージに応じて最大11回)
ステージアップ条件
- 預金残高300万円以上:シルバー(ATM月7回、振込月4回無料)
おすすめポイント
- 条件なしでATM月4回、振込月2回無料
- 外貨預金の手数料が安い
- デビットカードのキャッシュバック率が高い(最大2%)
こんな人におすすめ
- 条件なしで無料回数が欲しい人
- 外貨預金に興味がある人
- シンプルな銀行が好きな人
4. auじぶん銀行:au・Pontaユーザーに最適
ATM手数料無料回数 月2回から15回(じぶんプラスのステージに応じる)
振込手数料無料回数 月3回から15回(じぶんプラスのステージに応じる)
ステージアップ条件
- au回線契約:ステージ+1
- auじぶん銀行住宅ローン契約:ステージ+1
- au PAY連携:ステージ+1
おすすめポイント
- auユーザーはステージが上がりやすい
- Pontaポイントが貯まる
- 振込手数料無料回数が多い(最低でも月3回)
こんな人におすすめ
- auユーザー
- Pontaポイントを貯めたい人
- 振込が多い人
5. PayPay銀行:PayPayユーザーに便利
ATM手数料 3万円以上の入出金:無料 3万円未満:165円
振込手数料無料回数 3万円以上の振込:月1回無料 それ以外:145円
おすすめポイント
- PayPayと連携しやすい
- Visaデビットカードが便利
- Yahoo!ショッピングでの買い物に使える
こんな人におすすめ
- PayPayをよく使う人
- Yahoo!ショッピングをよく使う人
- デビットカードを活用したい人
銀行手数料を0円にするための戦略
戦略1:ネット銀行1〜2行を使い分ける
複数のネット銀行を持ち、それぞれの無料回数を組み合わせれば、完全に手数料を0円にできます。
おすすめの組み合わせ
- 住信SBIネット銀行(メイン):ATM月5回、振込月5回無料
- 楽天銀行(サブ):ATM月1回、振込月1回無料
合計でATM月6回、振込月6回まで無料になり、一般的な使用なら十分です。
戦略2:給与振込口座はネット銀行に
会社が給与振込口座を自由に選べる場合、ネット銀行を指定すれば、ランクアップや特典が受けられます。
給与振込口座を変更できない場合は、定額自動入金サービスを使って、給与が入ったら自動的にネット銀行に移動させる方法もあります。
戦略3:キャッシュレス決済を主体にする
現金をほとんど使わない生活にすれば、ATM手数料は月1回分だけで済みます。
キャッシュレス決済の使い分け
- 日常の買い物:クレジットカードまたはQRコード決済
- 公共交通機関:Suica、PASMOなどの交通系IC
- 小額決済:電子マネー
- 現金:緊急時のみ(月1回引き出す程度)
戦略4:振込はスマホ決済で代用
友人や家族への送金は、銀行振込ではなくPayPayやLINE Payを使えば手数料0円です。
相手が同じアプリを使っていれば、数秒で送金が完了し、手数料もかかりません。
戦略5:家賃などの定期支払いは口座振替に
家賃、習い事、保険料など、定期的な支払いは口座振替にすれば、振込手数料がかかりません。
一度設定すれば、以降は自動的に処理されるため、手間もゼロです。
メガバンクとネット銀行の比較
メガバンクのデメリット
手数料が高い
- ATM手数料:時間外220円、他行ATM330円
- 振込手数料:他行宛550円から880円
金利が低い
- 普通預金金利:年0.001%程度
口座維持手数料導入の可能性 将来的に月数百円の維持手数料がかかる可能性があります。
ネット銀行のメリット
手数料が安い・無料
- ATM手数料:月数回無料
- 振込手数料:月数回無料
金利が高い
- 普通預金金利:年0.1%から0.2%(メガバンクの100倍以上)
24時間ネットで操作可能
- スマホアプリで振込、残高確認が簡単
ネット銀行のデメリット
実店舗がない 対面でのサポートが受けられません。ただし、電話やチャットサポートは充実しています。
現金の入金が面倒 給与以外の現金(お小遣いなど)を入金する際、提携ATMまで行く必要があります。
一部サービスで使えない 公営住宅の家賃引き落としなど、一部のサービスでネット銀行が使えないことがあります。
よくある質問
ネット銀行は安全?
ネット銀行も従来の銀行と同様、預金保険制度の対象です。万が一銀行が破綻しても、1,000万円までは保護されます。
セキュリティ面でも、二段階認証や生体認証など、厳重な対策が取られています。
メガバンクの口座は解約すべき?
完全に解約する必要はありませんが、メイン口座をネット銀行に移し、メガバンクは最小限の残高だけ残しておくのがおすすめです。
給与振込口座を変更できない、家賃の引き落としがメガバンク指定など、どうしても必要な場合は残しておきましょう。
複数の銀行口座を持つと管理が大変では?
家計簿アプリ(マネーフォワードME、Zaimなど)と連携すれば、複数の口座を一元管理できます。
また、普段使う口座は1〜2つに絞り、他はほとんど触らないようにすれば、管理の手間は増えません。
まとめ:銀行手数料0円は誰でも実現可能
銀行手数料を0円にすることは、2025年現在、誰でも簡単に実現できます。ネット銀行の無料回数を活用し、キャッシュレス決済を主体にすれば、ATM手数料も振込手数料も完全に0円にできます。
年間で2万円の手数料削減は、30年で60万円の差になります。この金額を銀行に払うのではなく、自分の資産として残しましょう。
まずは住信SBIネット銀行または楽天銀行の口座を開設し、無料回数の範囲内でATMや振込を利用することから始めてください。慣れてきたら、キャッシュレス決済を増やし、現金を使う機会を減らしていきます。
銀行手数料0円は、節約の基本中の基本です。今日からネット銀行を活用して、無駄な手数料とはおさらばしましょう!


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